不動産鑑定とは?
不動産の価格を正確に算定するためには、不動産鑑定士による不動産鑑定が必要です。
どのような場合に不動産鑑定を行うかといいますと、市場に同種の物件が少ない場合などです。不動産を購入する場合には、同種の物件が市場にある物件の場合には、同種の不動産の価格などを参考にし、当事者で協議を行い価格を決定することになります。このような同種の物件が多い場合はともかく、市場に同種の物件は少ない類型(特にビルや一棟マンションなど)の場合には、不動産鑑定を行わないと参考となるような価格を算出することもできません。
また、不動産を売却するのではなくても不動産の価格を算定すべき場合があります。遺産分割や共有物分割などの裁判で、不動産の価格で当事者間が対立する案件などでは不動産鑑定が必要になります。このように裁判における不動産鑑定は、裁判以外の通常の不動産鑑定とは異なり、不動産の価格を巡って対立がある点に特徴があります。
裁判案件の不動産鑑定は特殊
遺産分割や遺留分などの相続案件では、不動産の価格が問題となる場合が多いです。これは遺産分割や遺留分では1つの不動産を分割(共有)して取得することなく(共有になるとさらなるトラブルを誘引することになるためです)、相続人のうち1人が取得し、他の相続人は不動産以外の資産を取得することになります。そのため、不動産を取得する相続人は不動産の価格が低いことを希望しますし、不動産を取得しない相続人は不動産の価格が高いことを希望しますので、不動産の価格を巡って対立が生ずることになります。
このように、不動産評価が問題となる場合、通常の不動産鑑定のプロセスに加えて、相手方が納得する(納得せざるを得ないような)不動産鑑定を行う必要があります。また、裁判は、裁判所が判断を行いますがので、裁判所を説得できるような説得的な不動産鑑定を行う必要があります。
つまり、自らと反対の意向・意見を有している相手方や裁判所を納得させることができるような内容の不動産鑑定を行う必要があります。このような配慮は、通常の不動産鑑定でもなされるべきですが、実際にはあまりきちんとなされていません。
裁判で不動産鑑定評価を行う場合には、特別な考慮が必要になります。
不動産鑑定の費用
鑑定評価書とそれ以外の書面の違い
不動産鑑定士が作成する書面としては、「不動産鑑定評価書」「査定報告書」「意見書」に分けられ、作成する書面によって費用が異なります。
このうち「査定報告書」は「査定書」「価格調査書」などと呼ばれる書面ですが(「不動産鑑定評価書」とは記載しないことがポイントです)、査定報告書は、依頼者が内部的な資料として不動産価格を算定した書面のことで、第三者に提出することは基本的には予定していません。ですので、裁判案件では、裁判所及び相手方当事者に資料を提出することになりますがので、査定報告書を証拠として提出することはできないとされています。
不動産鑑定評価書の作成業務(1物件あたり)
- 更地 30万円~
- 借地権・新規賃料 45万円~
- マンション・一棟ビル 50万円~
- 継続賃料 60万円~
- その他の類型は協議の上で決定します。
査定報告書の作成業務(1物件あたり)
- 更地 20万円~
- 借地権・新規賃料 25万円~
- マンション・一棟ビル 30万円~
- 継続賃料 45万円~
- その他の類型は協議の上で決定します。
※裁判案件では査定報告書のみの作成を受けることはできません。
意見書の作成業務(セカンドオピニオンを含む)
- 借地権・継続賃料 30万円~
- それ以外の類型 20万円~
その他
第三者が作成した不動産鑑定評価書・査定報告書・意見書等の書面について見解を表明する(セカンドオピニオン)ことも対応可能です。
不動産コンサルティング業務
不動産鑑定士による不動産コンサルティング
不動産鑑定士は、不動産鑑定書などで価格を算出することだけを行うのではなく、個々の不動産をどのように運用することが良いか助言する(コンサルティング)ことも行うことができます。
例えば、相続対策を行うに当たって、不動産を売却するのか良いのか、不動産の管理をどうすればよいのかなど助言をすることができます。不動産業者でもこのようなコンサルティング業務を行うことがありますが、不動産を購入ないしは売却することに優先順位が置かれる傾向にあります(不動産を購入ないしは売却する際に不動産業者への仲介手数料が発生するからです)。
また、税理士もこのようなコンサルティングを行うことがあり、相続税がいくら発生するか試算した上で、不動産の活用を検討することも重要ですが、相続税を抑えることに主眼がおかれ不動産を将来どのように活用するのが良いかという視点が欠けていると言わざるを得ません。ただ、不動産鑑定士がコンサルティング業務を行う場合には、税理士と協働で計画を立てることが多いです。
他方、不動産鑑定士によるコンサルティングであれば、不動産の購入や売却を行う必要がありませんので、このような心配は無用です。
費用
タイムチャージ制を採用し、1時間あたり1万5000円~
10分単位で計算し、5分以上は切り上げをして計算します。